また雨が降り出した夕方の東京。今日も果てが見えない曇り空。さてさて、ご心配かけてしまう内容で、申し訳なかったです!昨日は、妊娠して初めてというぐらい、文字通り「安静」ゆっくりダラダラ休んでいたら、今日は、朝から元気復活です。ご心配なく!(今日もちゃんとゆっくりしていますので!)ほんとに、大きなことが幸いないまま来てしまったこともありますが、妊婦にしては動きすぎ注意報かな?というのと(この時期「よく歩いてください」と病院でも言われるのですが、私の場合、もう充分だったのだろうなぁ)もう一つ、これは、ずっとなのですが、胃が圧迫されつづけていて、ちゃんと動いていない気がする(消化不良)というのはあるので、食べ物の影響も、やはり少なからずあったみたいです。ラッシーの辛口には悪いので、また、出産後に再挑戦してみます(笑)。ほんと、自分だけの身体ではないので難しいもんですが、ここまで一緒に過ごしてきているので、大丈夫(^-^)!いいご報告ができるように、と思います。そんな私の体調話ばかりでは、つまらないですよねーすみません!
いろいろ他にも書くことありつつ、今日は、本にします。
『家族の歌〜河野裕子の死を見つめた344日』
昨年から今年も、NHKをはじめ民放などでも特集番組が組まれたりしているので、ご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。昨年夏に他界された歌人の河野裕子(かわのゆうこ)さんと、そのご家族(みなさん歌人!)の、新聞にリレー連載された歌とエッセイをまとめた一冊です。河野さんの癌再発が起こってからの連載スタート。いかなる時も、歌を詠み続けたご家族の結晶は、涙なくしては読めないのですが、死へ向かう悲しい涙だけではなく、それは懐かしい涙であり、あたたかい涙で、なにより、家族の素晴らしさが綴られています。
河野裕子さんには、お会いすることは、残念ながらないままでしたが、ご主人の永田和宏先生(やはり歌人であられ、細胞生物学者、理学博士です)はプライベートでご縁あり、お世話になっています。お人柄も本当に素晴らしく、お会いするのがいつも楽しみな方です。
本の中にも書かれている部分がありますが、昨年の結婚の際に、このような言葉を頂きました。
「夫婦に大切なのは、時間の共有。どれだけ一緒に過ごすかだと思います」と。奥様が他界された後にかけてくださった言葉で、大変身にしみましたが、脳裏に刻まれた言葉です。
本にも「時間の記憶の共有が家族。”あの時の・・”と言えば、誰かがその時を取り出して相槌を打つ。それが家族なのかも知れない。家族の記憶の中では、時間はいつまでも、そしていつでも取り出すことができる」と。本当に、学生の頃から仲が良く、素敵なご夫婦であられたことは、周りのお話や本からも想像は容易いのですが、私も、私の家族とそうであったように、夫婦で、これからの家族とたくさんの思い出を一緒につくろうと思いました。
和歌・短歌は、やはり素敵な言葉のひびきで、分からずとも口にそっと出して読むのもいいものですし、そのあとに見開きで綴られているご家族それぞれのエッセイは、みなさんにも、ふと思い出される時の記憶があろうかと思います。
親がどう思って家族を守ってきてくれていたのかと思いを馳せたり、必死にみんなで生きてきたのが家族だったなぁと思ったり、壊れかけたりしながら(時には壊れ)、思い出の共有で今も思い出し笑いしたり、歌でなくとも、こっそりと言葉でどこかに記しておくのは、とても貴重な記憶になるような気がします。
(産経新聞出版より ¥1,200)
たくさん素敵な歌がありますが、裏帯に書かれているものを記します。
「手をのべて あなたとあなたに触れたきに 息が足りない この世の息が」(河野裕子)
「あほやなあと 笑ひのけぞり また笑ふ あなたの椅子に あなたがいない」(永田和宏)