今日は、先日 モントリオール世界映画祭最優秀監督賞を受賞した『ヴィヨンの妻』を試写で観てきました。 男女の 出逢いの不思議、それによって始まる思いの深さ、離れられない運命なのか、意思なのか。 松たか子さん演じる 主人公の佐知、いい女でした。好きな男のためなら、という潔さ。そして、男の人をあるがままに受け入れる女なのだから。一方で、こんな旦那さん、きついなぁーーという太宰文学です(^.^;)…なんか、わかる..と思いながら観てしまいましたが、男性から見れば、これが理想の女なのだろうな。
たくさんのことが、戦後変わったのだろうと、あらためて思う日本の急速な変化が始まった頃の話。ギリギリの生活を強いられていながら、そこにある 人としての”心のふくよかさ”はなんなのだろう。 そんな中、はっきりと根づく、それぞれの人生における生命力。生命力というのは、案外、それぞれの人生の歩み方で手にしていく力なのかもしれない。
作家でありながら、近い人にはうまく言葉で表現しきれず苦しむ 佐知の旦那・大谷(浅野忠信さん)が手のひらにのせるものが、ナイフであったり、いのちを落とす薬であったり・・・かと思えば、生きたいと思う人間の本能的欲求の象徴になったりー そんな 無言の中の繊細な表現にも、胸 打たれました。手の中に何を彼が握るのか。話の筋として見えて、おもしろかったです。(小さなことなんですけど…)
で、そのあと、まさに映画の中に出てきた小料理屋か?と思うような光景が広がる銀座ガード下。焼き鳥&焼酎ー!余韻を味合うのであった。映画は10/10 公開、このヴィヨン後のガード下、オススメです。