旅の途中で trip, 未分類ふと目にした詩からひとつ。 酒場にて(初稿) 中原中也 今晩ああして元気に語り合つてゐる人々も、実は元気ではないのです。 諸君は僕を「ほがらか」でないといふ。然(しか)し、そんな定規みたいな「ほがらか」は棄て給へ。 ほんとのほがらかは、悲しい時に悲しいだけ悲しんでゐられることでこそあれ。 さて、諸君の或(ある)者は僕の書いた物を見ていふ、「あんな泣き面で書けるものかねえ?」 が、冗談ぢやない、僕は僕が書くやうに生きてゐたのだ。