若木信吾さん写真展「表面」

代官山のヒルサイドテラス内、ヒルサイドフォーラムで、写真家・若木信吾さんの写真展「表面」が始まっています。普段、人物を撮ることの多い若木さんが「モノ」にこだわった写真展をやるとのことで、先日会いに伺いました。
 高知県にある小野哲平さんの作品集のための撮影でアトリエに泊まった時の出来事がきっかけで、
”モノ”のことを、ふと考え始めたと。 ”モノ”とあって、なんとなく、そこに秘められたストーリーや、思い出、人との関係性を想像して足を運びつつも、タイトルは表面…?? 聞いてみれば、さすが視点が少し違いまして、モノの表面は、人の思いが乗っかってきているもの。モノは、人の思いを一方的に与えられ続け、でも特に抵抗することもなく、ただそこに居る・在ることに不思議を感じたのだと。
 
旅先での、古びた壁やステンドグラス、滑り台、作業椅子、アトリエの風景、海外のお墓、西麻布の駐車場、ガレージ、建設中のビル、植物、写真…の写真たち。邸宅なども、本人が撮ったかのような目線、カジュアルさがあり、そのあたりは、人物を撮る時と変わらない、若木さんらしい距離感、目線、あたたかさを感じた。若木さんご自身、まだハマり始めたテーマ、とのこと。その段階での写真展は面白いと思う。
 モノには、消えない安心感もある。意識していないとしても、やはり身の周りに置いているものには、それを感じているような。情報やパソコンの中は、ふと振り返ると消えていたりするけれど、モノは、いつだってそこにいる、なんて話も。実際、経年劣化の美しさを見せてくれるのは、もちろん自然であり、そしてそれを反映した”モノ”だと思う。そういう身の回りにあるモノによって、人としての感覚も育っているのだろう。
ふっと居合わせたような、ずっと寄り添っていたような。
若木信吾さん写真展「表面」@代官山のヒルサイドテラス、ヒルサイドフォーラムにて
2月28日(日)まで。無料です。開場は 11:00  ~20:00 まで