自然に帰る道

 今日は、目黒雅叙園に行ってきました。比較的、近くにあるわりに、時折、打ち合わせなどで寄るぐらいだったのですが、今日は、細川護煕展が今週いっぱいなので、ぜひ観ておこうと。
 以前、銀座エルメスでの展覧会で、細川護煕氏の作品(陶芸や油絵など)を目にした時、その作品らが放つ、おおらかな中に潜む揺るぎなきものや、素直さ・柔軟性に惹かれました。60歳で政界から引退され、芸術にいそしむその生き方も素敵だなぁと思っていましたが、細川家には、代々、初代の細川藤孝(幽斎)や、忠興(三斎)と、そうして、すっぱり政界から身を引き、歌や茶に生きた先人がいらっしゃたのですね。「武だけではなく文もまた大切」。足利、信長、秀吉、と代々の天下人を支えてきた細川家の歴史も、また魅力的でした。

 今回の展示は、700年の歴史を持つ細川家の名品(一言で言うのもなんですが…ほんと、すごいの!!色彩、デザイン、かっこよい!)と、細川護煕氏の作品が共に楽しめるのですが、さらにそれらが(「千と千尋の神隠し」の湯屋のモデルにもなったという)目黒雅叙園の有名な百段階段のそれぞれの間に展示されていて、想像をゆうに超える見応え!!ここって、こんなにすごかったのかー!(@@)!昭和15年の建築、天井絵も華やかすぎるほどに華やか。床の艶、襖絵の凝り方・・昭和の竜宮城、という形容にも頷くところ。

護煕氏の書、陶芸、油絵・・60歳を過ぎてから、本格的に臨まれたとは、信じ難い!!ほどに、唸るばかりで、そんな細川氏の、素直な感性に、またしても触れられるいい機会でしたよ。

学生の頃から、俗世と離れて暮らすのが夢だったそうです。とても優雅で、持って生まれた環境も大きいとは思いながら、でも、やはり「その人」の心意気、信念以外の、何物でもない気がします。土や火、言葉や茶など、自然への帰り方をよく知る方なのだろうなぁと。
もしかしたら、私たちの誰もが、その方法を、それぞれにゆっくり見つけていくのが人生なんですかね。
歳をとることが、そういう道の上にあることを知ったなら、どんな事も筋道ができそうな気がしました。

展覧会は、10/16(日)までと、あと少しですが、興味ある方はぜひ〜。
ちなみに、菊池寛実記念 智美術館(神谷町あたり)で、数日前から『胸中の山水:細川護煕 油彩、書、茶陶の世界』が始まっています。こちらはまだ行っていませんが、来年の1/9までだそう。ちょっと行ってみようかなぁ、と思ってます。