ルイーズ・ブルジョワ展


 グーゲンハイム美術館へ。フランク・ロイド・ライト建築の美術館、建築されて来年で50年になるというのに、今年も一際目をひく。(入り口付近、工事中。昨年も工事中・・たしか、数年前も..?? ) 平日のわりに 人は多かった。こちらの美術館は、作品の前で、一緒に来た人とみんな よく喋る。作品を見て想像を楽しむ時間。黙って聞いていると、おかしなことを言ってたりするから、ちょっと楽しい。無料の解説オーディオを手に、ぐるぐるぐるぐる回る。この螺旋に沿って作品展示。(1Fロビーからだけ写真撮影可ね、)
 今回は、70年以上もアートに携わる前衛アーティスト、ルイーズ・ブルジョワの展覧会です。パリ出身、N.Yで活躍のアーティスト。現在97歳の今も、毎日 制作活動をしているそう(すごすぎる..)。 J-WAVEのある 六本木ヒルズにも、彼女の代表作「MAMAN」(大きな蜘蛛の作品)があるので、個人的には、毎日のように作品を目にしている作家なのですが、今回は いろいろと見られて、本当によかった!共感できるアートのテーマで、より親近感が増した。 ちなみに、その 蜘蛛MAMAN の小さい版もあったけれど(写真左下)、普段 あれだけ大きいの( 高さ10 m)を見ているので、(蜘蛛としては、ノーサンキューなサイズなのに)ちょっと迫力に欠ける?と思ったりもした..^^ ;。 写真にある2つの スパイラルのオブジェは、一つは内に、もう一つは外に向かう、強いチカラを表現。
 彼女の作品の根底にあるのは、”JOY & PAIN” (喜びと痛み)。過去の思い出、経験によって、生み出されている。内向的で精神的なものが凝縮したパワーの炸裂した結果が、とても落ち着いて、理性的な佇まいで陳列していた。石の彫刻だったり、木のモニュメントであったり、絵画、オブジェ・・と、形式、素材を選ばない。
 小さい頃、お父さんが しょっちゅう浮気していた(彼女の家庭教師とも!パパー!!) に対し、お母さんは ひたすら耐える女性だったらしい。このことは、大きなトラウマとして作品の中にも存在。その他、男女の関係、それでも求め合い引き合う意味や、社会の影響、女性としての生き方などなど。(ちなみに、彼女自身はアメリカ人と結婚し、3人の子供がいるそうですが、主婦としての、閉鎖感も表現されていたりします。)
 そんな風に、前衛的と言われながら、実はとても日常的。普段の生活が元になって、作品制作をしているのです。”前衛”であるということは、どこか、日常の否定のような、強いものから生まれる気配を感じていたので、新鮮だった。自分の内なるエネルギーが元にある作品なので、70年という作家活動の中、どの時代の流行とも距離を置いたところで、作品を常に発表してきたことになる。(今一度、この辺、他のアーティストなども見直したい、)どれからも、「女性」を強く感じる作品で、とても見応えあり。
 いくつか気に入った作品にも出逢えた展覧会でしたが、蜘蛛 ”MAMAN”は、あらためて、象徴的。「母」と名付けられているこのオブジェ。 蜘蛛=耐える生き物。動揺も表情に出さず、ただ静かに賢く理性的。様々なお父さんの行動にも、冷静に、黙って耐えてきたお母さんに良く似ているから、MAMAN. そして、タペストリーを作る仕事をしていたお母さんは、蜘蛛が巣をつくっている様子と似ていることから、MAMAN。ふむ。静かで強い 圧倒的な佇まい。そんな蜘蛛は、女性として、たしかに、見上げるぐらいの大きさかもしれない..!